第2章 木材の良さを再確認する
火に強い、地震に強い木材

木造住宅は一定の防火仕様を施せば、高い防火性能を発揮することが火災実験でも証明されています。熱を加えると鉄は急速に強度が低下しますが、木材は急に低下することはありません。柱・梁・壁下地下材に太い木材や厚い木材を使うのも、防火性能を高める仕様の一つなのです。
また、木材は鉄やコンクリートに比べても十分な強度を持っており、重量の割に強い素材であるといえます。
 



木の家の温かさ

木材は熱を伝えにくい素材で、鉄やコンクリートに比べ熱伝導率が大変小さく、断熱性能に優れています。 1年間の外気温と室内温度の変化示した図をみると、木造住宅の室温は鉄筋コンクリートに比べて夏涼しいのが特徴です。また、冬でも暖房の熱を外に逃さないため部屋を暖めやすく、木造住宅は「夏涼しく、冬暖かい」住宅です。
床材料の違いによる足の甲の温度変化については、コンクリートやビニールタイルと比べて木材は長時間高い温度を持続することがわかります。
 



木材の温室効果・抗菌性とリラックス効果

木材は調湿能力に優れており、温度が上昇すると水分を吸湿し、下降すると放湿する特性を持っています。内装に厚さ2cm程度の無垢の木材を使うと、室内の湿度調整能力を高めるだけでなく、壁の浸湿抵抗を高め、結露防止に効果があります。また、木材には抗菌・殺虫作用を持つ成分が含まれており、ダニの抑制に効果がある一方、α-ピネンやβピネンといった様々な精油成分が含まれているお陰で、人の心理面や生理面に影響を与え、気分の安定化や疲労回復にも効果を発揮します。